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理想はアンコウのように替えの効かない存在になることです。

サッカークロアチア代表がここ数年めちゃ強い理由


2022年のカタールワールドカップでは、決勝トーナメント一回戦で日本代表と戦い、PK戦の末に勝利した後、結果的に3位に輝いたクロアチア代表。

 

その4年前の2018年ロシアワールドカップでは、当時の下馬評を大きく覆す快進撃でなんと決勝まで上り詰め、優勝したフランスに破れはしたものの、終わってみれば同国史上最高成績である準優勝に輝きました。

 

そして、現在開催されているUEFAネーションズリーグでは、6月15日に行われた準決勝で、対決したオランダを延長戦の末に破り、決勝まで進んでいます。

 

少しサッカーに詳しい方ならお分かりになるとは思いますが、フランスやブラジルなどのいわゆる大国とはいえないクロアチアが、ここ数年でこれほど多くの好成績を残してきたことは、とてつもなくすごいことといえます。

 

なぜ、ここ数年のクロアチア代表(愛称:バトレニ)はこんなにも強いのか、その理由を僕なりに考察してみました。

 

サッカークロアチア代表がここ数年めちゃ強い理由

1、核となる実力者が各ポジションにいる

一般的に、強いチームの条件のひとつとして、能力の高い選手が多く存在することが挙げられますが、クロアチアもこの条件に当てはまっていると思います。

例えば、ゴールキーパーには、

ロシアワールドカップ後に代表引退するまで、長らく正守護神の座を務めてきた、ダニエル・スバシッチや、現在の正守護神であり、カタールワールドカップでは、日本戦での3回PKストップなどを含むビッグセーブ連発で大活躍した、ドミニク・リバコビッチがいます。
(ちなみに、スバシッチロシアワールドカップデンマーク戦でのPK戦で3回PKストップを成功させています。そもそも、長いワールドカップの歴史の中でも、PK戦でPKを3回ストップと言う記録は、この2人以外では1人しかいません。すげー。)

 

 

ディフェンダーには、
こちらも長らく代表の主力として、最終ラインを守り続けてきた、デヤン・ロブレン(今年2月に代表引退)や、ドマゴイ・ヴィダなどのベテラン勢に加え、若手・中堅には、カタールワールドカップで大活躍し、21歳にしてすでにワールドクラスの仲間入りを果たしたと言われるヨシュコ・グヴァルディオルや、左足からの高精度のクロスを武器とする、ボルナ・ソサがいます。

 

 

ミッドフィルダーには、
レジスタとして中盤の底から高精度のパスを供給し、ビルドアップに多大な貢献をするマルセロ・ブロゾビッチや、推進力のあるドリブル・高いパス技術・前線への攻撃参加がウリのマテオ・コバチッチ、トップ下が本職で、抜群のボールキープや高いドリブル・パスの技術をもつロブロ・マイェルがいます。
また、2020年に代表を退いていますが、イバン・ラキティッチも代表のスター選手の1人として、ロシアワールドカップでの準優勝に大きく貢献しました。

 

 

フォワードには、
左右両足でキレのあるドリブルや、制度の高いクロス・シュートを繰り出すことができ、カタールワールドカップの日本戦では、同点となるゴールを決めたイバン・ペリシッチや、高い得点力だけではなく、周りを活かす能力も高いアンドレイ・クラマリッチがいます。
また、ロシアワールドカップ後に代表を退きましたが、マリオ・マンジュキッチもそれまでは前線のファーストチョイスとして、長く代表の躍進を支えてきました。

 

と、各ポジションに、これだけの実力者がいるのです。

 

 

2、ルカ・モドリッチ

あえて、先ほどは紹介しませんでしたが、ここ数年のクロアチア代表の躍進の最大のキーマンであり功労者はこの男であることに疑いの余地はありません。
もはや、このモドリッチのキャリアの隆盛にクロアチア代表も導かれたと言っても過言ではないくらいです。
それほどまでに別格の存在だと思います。

 

そんなクロアチアのナンバー10は、見た目は小柄で華奢ですが、ドリブル・パス・シュート・戦術眼・視野の広さ・スタミナ・守備力など、ミッドフィルダーに必要とされるすべての能力が高水準で備わっており、とりわけ、複数人に囲まれてもボールを失わないボールキープ力や、第三の足とも言えるような、利き足の右足から頻繁に繰り出されるアウトサイドでの高精度のパスやシュートは彼にしかできない特殊能力ともいえるものです。

 

特に2018年はキャリアのピークと言われており、ロシアワールドカップで、キャプテン、そして攻守の要としてピッチを走りまわり、持ち前のボールキープ力や守備力を存分に発揮した上に、多くの決定的な得点に直接関与するなど、結果的にチームを準優勝にまで押し上げる圧巻の活躍を見せ、大会のMVPに選ばれました。
そして、同年のバロンドールを、クロアチア人選手としては初めて受賞しました。

 

37歳となった今でも、多くの試合でフル出場するなど変わらず代表の主力であり、特に重要な試合での貢献度は凄まじいものがあります。

印象的なスーパーゴールも多く、僕個人的には、ユーロ2016のトルコ戦で決めた、高く上がったボールをトーキックで合わせたボレーシュートが一番意味が分からなくて度肝を抜かれました。(褒め言葉です笑)

 

3、試合に対する前提や覚悟が違う

カップ戦の決勝トーナメントにおける、クロアチア代表の試合の勝ち方として多いのが、前・後半の90分では決着がつかず、その後の延長戦か、PK戦に持ち込んで勝つというパターンです。

 

例えばロシアワールドカップの決勝トーナメントでは、決勝戦のフランス戦以外の3試合は全て延長戦までいっており、そのうち2試合はPK戦でした。

 

また、カタールワールドカップでも、決勝トーナメントの初戦(日本戦)と2回戦(ブラジル戦)をPK戦によってモノにしています。

 

そして、現在開催されているネーションズリーグの準決勝も、延長戦の末、オランダを下しています。

 

なぜ、これだけ延長戦やPK戦による勝利が多いのか、僕は、それは

120分間戦うことを前提にしているから

だと思っています。

彼らは、フランスやブラジルなどのいわゆる大国と呼ばれるチームと比較すると、どうしても選手層の厚さや、戦術面での柔軟性に限界があります。
そのため、そういったチーム相手に同じ土俵で戦っていては、勝ち目はないのです。

 

よほどの格下でない限り、相手に大差をつけて勝てるほど、ナショナルチーム(特にヨーロッパという地域では)の試合というのは甘くありません。

 

だからこそ、彼らは少ない点差の試合をモノにできるよう、試合全体を通して、攻守両方の場面で驚異的な集中力と持久力を発揮します。


「少ないチャンスを確実に得点に結びつけ、相手に主導権を握られているようにみえても、決定的なチャンスは簡単には作らせない。」

この意識を徹底できているように思います。

 

また、そうした試合の場合、高確率で90分では決着はつきません。
彼らにとっては120分間戦うのはもはや当たり前のことなのです。
その事実を前提にして、その覚悟を持って戦っているのは間違いないだろうし、
だからこそ、延長戦に入っても、運動量が大きく落ちないのだと思います。

 

対して、相手チームの多くは、その後の試合のことを考えると、できれば90分で決着をつけたいと、それを前提にして戦います。
そのため、その願い叶わず、延長戦に突入した途端に運動量がガクンと落ちてしまうのだと思います。

この意識の差が、クロアチア代表の強さの根幹にあると思います。

 

4、真の意味でチームが一体となっている

ナショナルチームは、クラブチームとは異なり、多くの練習量や、ミーティングの時間を確保することができません。
そのため、どうしても戦術的・連携的な面で熟成期間が不十分になってしまうことも多いです。

 

しかし、クロアチア代表の試合を観ていると、先ほど挙げた、120分間戦うことを前提にプレーするという意識をチーム全体で確実に共有できていると感じます。
だから、延長戦に入っても誰も下を向いていないし、むしろ、その姿は自分たちの時間がやってきたと、イキイキとしているようにさえ映ります。

 

また、これは選手層の薄さも関係しているとは思いますが、モドリッチなどのベテラン勢をはじめ、中堅・若手世代の選手達も、ほぼ毎回同じメンバーが選出されているため、同じ時間を過ごすことも増え、より強固な関係性が出来上がっていると思います。

 

ちょっと、例えが合っているかわかりませんが💧、同じ長時間残業をするのでも、自分ひとりが取り残されてやるのと、係全体でやるのとでは、疲労感が全く違うといった感じに似ていると思います。
「苦しいこともチーム全体で共有しながら戦っていく」
そうした意識が、クロアチア代表には根付いているように思えます。

そしてそれが、クロアチア代表の粘り強さにつながっていると思います。

 

 

まとめ

以上が、クロアチア代表がここ数年強い理由の考察になります。

 

今後は、モドリッチ世代のベテラン層がいなくなったあと、チームとしてどうなっていくのか気になる点はありますが、新世代の台頭への期待と持ち前の粘り強さを武器に、さらに強い“バトレニ”をつくっていってほしいなと思います。

そして、ぜひ、悲願のネーションズリーグ初優勝を成し遂げてほしいなと思います!

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!